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(参考)女性活躍・両立支援の業績等への影響・効果に関する資料

女性活躍・両立支援の業績等への影響・効果(ポイント)

女性活躍支援・ダイバーシティ経営が求められる社会的背景は?
  • 女性や男女を問わない高年齢層の労働参加と一層の活躍は、事業活動の制約要因の一つである労働力不足の解消に不可欠であり、働き方改革や両立支援政策が後押ししている。
  • 女性の活躍が経営戦略上、必須であるという考え方が浸透してきている。また、女性が活躍していない企業は機関投資家も相手にしなくなってきている。
女性活躍支援・両立支援は、業績等に影響を与えるのか?
  • 女性登用が企業業績に与える影響に肯定的な論文と否定的な論文があり、どちらとも言い切れない。
  • 「女性活躍に力を入れる企業の業績は高い」「女性役員がいる企業の業績はよい」など、女性活躍推進が企業の業績にプラスに働くことを示唆するデータはさまざまあるが、これらはすべて相関関係があるに過ぎず、因果関係は証明されていない。
  • 既存研究において両立支援が企業業績を向上させるという客観的証拠はえられていない。
長期人材育成・両立支援は、組織と人にどのような効果をもたらすのか?
  • 両立支援は、企業にとって人材の採用・定着に対する効果がある。
  • (冨山加筆:両立支援は、男女ともに意欲向上に効果がある。)男性については、人材開発戦略が意欲向上に重要で、両立支援策を加味したほうが向上する。女性については、人材開発に注力するのみでは意欲は向上せず、両立支援策を加味した方が向上する。
  • (男性社員の)意欲や満足度向上には間違いなく企業の長期人材育成が有効ではあるが、条件が同じであれば、育児支援環境のよい企業の方が5年前より男性のモチベーションが高まってきている割合がやや高くなる。
  • 男性社員の長期育成に意気込むよりも、育児支援環境を整備したほうが若手男性社員の定着率向上には有効である
女性活躍支援・ダイバーシティ経営推進を業績・生産性向上等につなげるには?
  • 女性が活躍でき、経営成果も良好な優良企業は、「女性が活躍できる風土を持つ」、「女性を上手に使って利益を上げるような企業の人事・労務管理能力が高い」企業であった。女性比率を高め利益率も高めるような企業の特性としては、「男女勤続年数格差が小さい」、「再雇用制度がある」であった
  • 女性管理職比率は、女性比率とは独立に、利益率と正の関係を持っている。女性管理職比率が高い企業には、女性を均等に処遇する風土があり、それが企業の業績にも良い影響を与えているとさしあたり解釈することができる。
  • 女性の登用拡大に向けた取組については、「経営トップのコミットメント」、「女性社員の経験機会の拡大」、「経営戦略に位置付けた上での登用率向上のための取組」等を行うことが、企業に経済的メリットをもたらす可能性が示唆された。
  • (女性の登用拡大に向けた取組のうち)「両立支援制度の拡充や制度を利用しやすい環境づくり」にのみに取り組んでいる企業は、その取組の好影響について「両立支援制度の拡充や制度を利用しやすい環境整備につながった」、「女性社員の定着率が向上した」との回答がそれ以外の取組もしている企業を上回ったが、その他の項目については、いずれも下回っていた。
  • 長期育成に意気込む(「能力開発投資をしよう」「自社でのキャリアを考えさせよう」「帰属意識を高めよう」)よりも育児支援環境を整備したほうが若手男性社員の定着率向上には有効である。
  • (男性の意欲向上について)人材開発戦略が意欲向上に重要で、両立支援策を加味したほうが向上する。女性については、人材開発に注力するのみでは意欲は向上せず、両立支援策を加味した方が向上する。
  • 「女性社員のモチベーション向上」「役員や管理職を目指す女性の増加」「優秀な人材の採用」等の好影響につなげる取組として、「経営トップのコミットメント」、「女性社員の経験機会の拡大」、「経営戦略に位置付けた上での登用率向上のための取組」、「女性管理職候補者向け研修」「女性管理職向け研修」「女性役員候補者向け外部研修」等がある。

2.女性活躍・両立支援の業績等への影響・効果に関する資料
(上記1.ポイントの資料詳細およびその他資料)

2025年1月『「女性管理職増えると業績上がる」ほど生易しくない?今必要なのは』(日経クロスウーマン)

2025年1月7日 『「女性管理職が増えると業績上がる」ほど生易しくない?今必要なのは』(日経クロスウーマン)

  • (大内教授)「女性活躍に力を入れる企業の業績は高い」「女性役員がいる企業の業績はよい」など、女性活躍推進が企業の業績にプラスに働くことを示唆するデータはさまざまあります。でも、これらはすべて相関関係があるに過ぎず、因果関係は証明されていないのです。業績の高い企業は余裕があるから女性役員を増やせている、という見方もできます。
  • (大内教授)企業の女性役員の増加が業績に与える影響について、因果関係を探る研究は多数あります。それらによると「女性役員の増加に企業業績を高める効果はない」「財務業績が向上した企業が女性取締役を増やした可能性が高い」という結果が出ています。

2024年7月「ウーマノミクス:静かなる革命-あれから25年」(ゴールドマンサックス)

  • 2024年7月3日「ウーマノミクス:静かなる革命-あれから25年」(ゴールドマンサックス)
    ここ数十年の女性の労働参加による貢献は、いくら評価しても過大評価し過ぎることはない。日本では、人口動態という観点から見れば労働者数は大幅に減少していた可能性があるが、実際には雇用が拡大している。その背景には、女性が労働に参加し、就業し続ける傾向が強まっていること-これには働き方改革や家族重視の政策が貢献-および男女を問わず高年齢層が働き続けるようになっていることがある。
    ○ 当社は、人口の高齢化、巨額の財政赤字、労働力の減少、移民に依存することへの躊躇などを踏まえると、女性の一段の労働参加と経営幹部としての女性の一層の活躍が不可欠と考えられる。更に、世界的にESGファンドへの大量の資金流入は途絶えたが、資金流出が生じているわけではない。
  • (参考)2022年7月13日「 ゴールドマンの「ウーマノミクス」銘柄群が低迷、インフレ懸念で」(ブルームバーグ)
  • (参考)2011年7月4日 「女性力が低迷日本を救うウーマノミクス銘柄値動き好調」(Sankei Biz)

2023年(令和5年)「女性の登用拡大と企業における経済的メリット等に関する調査研究報告書」(内閣府 男女共同参画局)

 2023年「女性の登用拡大と企業における経済的メリット等に関する調査研究報告書」(内閣府)

  • 【 東京証券取引所プライム市場上場企業1,620社調査(379社回答)】
    (P50)「女性の登用拡大に向けた取組による好影響がある※」と回答した企業を分析したところ、特に「経営トップのコミットメント」、「女性社員の経験機会の拡大」、「経営戦略に位置付けた上での登用率向上のための取組」等を行うことが、企業に経済的メリットをもたらす可能性が示唆された
    ※「生産性向上など企業の業績に好影響があった」、「イノベーションや事業変革につながった」、「投資家等からの評価が得られた」のいずれかを回答した企業(90 社)とそれ以外の企業(289 社)での「女性の登用拡大に向けた取組」状況を分析
    (P52)「両立支援制度の拡充や制度を利用しやすい環境づくり」にのみに取り組んでいる企業は、その取組の好影響について「両立支援制度の拡充や制度を利用しやすい環境整備につながった」、「女性社員の定着率が向上した」との回答がそれ以外の取組もしている企業を上回ったが、その他の項目については、いずれも下回っていた。
    「両立支援制度の拡充や制度を利用しやすい環境づくり」以外の女性の登用拡大に向けた取組※も行うことで、その他の好影響も現れてくることが考えられる。
    ※「女性社員のモチベーションが向上した」「役員や管理職を目指す女性が増えた」「優秀な人材が採用できるようになった」等の好影響につながる、「経営トップのコミットメント」、「女性社員の経験機会の拡大」、「経営戦略に位置付けた上での登用率向上のための取組」に加え、「女性管理職候補者向け研修」「女性管理職向け研修」「女性役員候補者向け外部研修」等
  • 【有識者へのヒアリング調査】
    (P62)馬越 恵美子氏(桜美林大学 名誉教授、異文化経営学会 会長):投稿論文内では、女性登用が企業業績に与える影響に肯定的な論文と否定的な論文があり、どちらとも言い切れないと考えている。自身が講演した際にも女性登用拡大によって企業業績が向上するか否かについて必ず質問されるが、これを証明することは難しく、白黒はっきりしないテーマであると考えている。 グローバルカンパニーでは、女性が活躍するとどういう経済メリットがあるかという議論はもはや行わない。なぜならば、女性の活躍が経営戦略上、必須であるという考え方が浸透しているからだ。実際に、女性が活躍していない企業は機関投資家も相手にしなくなってきている

2013年第5回~2016年第8回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」女性の活躍と組織の生産性向上・業績向上との関係性(日本生産性本部)

  • 2013年 第5回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」(日本生産性本部)
    (P5)女性の活躍が組織の生産性向上・業績向上につながることへの認識については、8割以上の企業で認識されている。すでに効果として表れているとする企業は 28.6%、数年後には効果が期待できるとする企業は 23.4%であり、半数以上の企業が効果を認めている。
  • 2014年 第6回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」(日本生産性本部)
    (P2)女性の活躍が組織の生産性向上・業績向上につながることへの認識については、「業績向上の要因の一つになっている」(20.9%)、「業績向上へのつながりはみられないが、組織が活性化するなど変化がある」19.7%)と、合わせて約4割の企業で効果が表れているとしている。
  • 2015年 第7回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」(日本生産性本部)
    (P4)女性の活躍が組織の生産性向上・業績向上につながることへの認識については、「業績向上の要因の一つになっている」(16.2%)、「業績向上へのつながりはみられないが、組織が活性化するなど変化がある」(25.6%)と、全体の約4割の企業が何らかの変化があるとしている。
  • 2016年 第8回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」(日本生産性本部)
    (P3)女性の活躍が組織の生産性向上・業績向上につながることへの認識については、「業績向上の要因の一つになっている」(20.3%)、「業績向上へのつながりはみられないが、組織が活性化するなど変化がある」(28.3%)と、全体の約5割の企業が何らかの変化があるとしている。また、女性社員の意識と行動の変化も、前年より高まっている。

2012年9月 女性の活躍状況の資本市場における「見える化」に関する検討会(第1回)配布資料3-3「女性活躍推進の経営効果について」(内閣府)

2012年9月20日 女性活躍推進の経営効果について(内閣府)

  • 女性の活躍推進が進む企業ほど経営指標が良く、株式市場での評価も高まる
  • ワークライフに取り組む企業の方が業績がよい傾向がみられる。
  • 積極的なワークライフバランス推進の取り組みは、企業の全要素生産性(TFP)向上に寄与する傾向がみられる

2011年7月「企業における両立支援の転換期」(第一生命経済研究所)

2011年7月 ライフデザインレポート「企業における両立支援の転換期」 (第一生命経済研究所)

  • 両立支援は、企業にとって人材の採用・定着に対する効果がある
  • 男性については、人材開発戦略が意欲向上に重要で、両立支援策を加味したほうが向上する。
  • 女性については、人材開発に注力するのみでは意欲は向上せず、両立支援策を加味した方が向上する
  • 既存研究において両立支援が企業業績を向上させるという客観的証拠はえられていない。今回の調査でも、両立支援が企業の業績を向上させるという効果は確認されなかった

2006年11月「企業の育児支援 男性社員に有効か」(ニッセイ基礎研究所)

2006年11月 「企業の育児支援 男性社員に有効か」(ニッセイ基礎研究所)

  • (P4)企業が「能力開発投資をしよう」「自社でのキャリアを考えさせよう」「帰属意識を高めよう」、と男性社員の長期育成に意気込むよりも、育児支援環境を整備したほうが若手男性社員の定着率向上には有効である、ということを示唆する結果となった。
  • (P5)意欲や満足度向上には間違いなく企業の長期人材育成が有効ではあるが、条件が同じであれば、育児支援環境のよい企業の方が5年前より男性のモチベーションが高まってきている割合がやや高くなる。年々入社してくる男性の価値観が変化してきている、ということが言えそうである。
  • (P6)今後、企業が生産性の向上を本気で考えるのであれば、女性だけではなく正社員の約8割を占める男性社員の働き方の改善を行い、定着や意欲満足度の向上を目指した方が、効果は出やすいだろう。
  • (P6)育児支援はあくまでも雇用環境整備の2階部分である。1階部分のワーク・ライフ・バランス(個々人の仕事と家庭への多様な時間配分に対応できる多様な働き方の提供)こそ、企業・労働者双方にとってのwin-winの関係への近道であろう。まず1階部分が整備されていれば、当然2階部分も「社内に数割の女性社員のため」といった偏見に阻害されず整備されるだろう。

2003年6月 男女共同参画研究会報告書「女性の活躍と企業業績」(経済産業省・男女共同参画研究会)

2003年6月 男女共同参画研究会報告書「女性の活躍と企業業績」国会図書館デジタルコレクション 

「女性の活躍と企業業績」経済産業省・男女共同参画研究会(2003年6月) P22より引用

  • 女性比率が高い企業は、見かけ上パフォーマンスが良いが、本当の理由は女性比率ではなく、女性が活躍できる企業固有の風土である。
  • 女性が活躍でき、経営成果も良好な優良企業は、「女性が活躍できる風土を持つ」、「女性を上手に使って利益を上げるような企業の人事・労務管理能力が高い」企業であった。女性比率を高め利益率も高めるような企業の特性としては、「男女勤続年数格差が小さい」、「再雇用制度がある」であった
  • 人事・労務管理施策のうち、「法定以上の育休制度がある」、「総合職採用に占める女性割合高い」、「残業時間が短い」、「フレックス制度がない」、「女性の転勤の可能性がない」は、被雇用者に占める女性比率を高めるという意味では有効だが、企業の業績に結びつくわけではない。
  • 女性管理職比率は、女性比率とは独立に、利益率と正の関係を持っている。女性管理職比率が高い企業には、女性を均等に処遇する風土があり、それが企業の業績にも良い影響を与えているとさしあたり解釈することができる。
  • 昇進均等度(女性管理職比率/女性比率)、育休取得率(育休の取りやすい企業の雰囲気)は、利益率とも、女性比率とも、有意な関係がない
  • ここでの分析は、サンプル数、特に小規模な企業が対象外であること、効果の時間的ラグや因果関係の問題があることに留意する必要がある。(企業ヒアリング10社および企業活動基本調査等のマクロデータを用いた計量分析約25,000社他)

2003年「企業の女性活用と経営業績との関係に関する調査」(21世紀職業財団)

WEB公開なし→(参考)平成16年(2004年)版「男女共同参画白書」第1-序-8表「女性社員の活用と経営業績との関係」

  • 女性社員比率が高い企業ほど、5年前を100とした場合の売上高を数値化した指数が伸びている。加えて、女性社員比率が高い企業ほど、競争相手と比較し自社の業績の状況が「良い」または「やや良い」とする企業が多い
  • 女性の能力発揮促進のための取組が「進んでいる」、「ある程度進んでいる」と評価している企業ほど、成長性指標と総合経営判断指標が良好という関係がみられる。
  • 女性の採用拡大・職域拡大や女性管理職を増やす取組を進めている企業で、企業業績は拡大している。